Single-Molecule Electret (SME)

当社のコア技術は,一つの分子で自発分極(メモリー機能)を示す「単分子誘電体(Single-Molecule Electret, SME)」です。
従来の強誘電体が自発分極を保つためには30nm3以上のユニットセルが必要であったのに対し、2018年に広島大学の研究チームによって発表された「単分子誘電体」は、わずか1×1×0.8nm程度の分子一つで自発分極を示す革新的な新材料です。
すなわち、「単分子誘電体」は究極に小さな強誘電体材料とみなすことができます。
当社はこの技術を活用し、電子デバイスのさらなる小型化・省電力化に貢献します。
1nm程度の「単分子誘電体」極薄膜は高い分極特性を維持できますが、これは金属酸化物ベースの従来の強誘電体では実現し難い領域です。
私たちの技術は、既存の強誘電体薄膜をこれまでにないほど薄く・小さくすることを可能にします。
「強誘電体薄膜が薄く・小さくなる」ということは、「電子機器がより軽く・よりコンパクトになる」可能性があるということです。
For Products
メモリ材料
強誘電体を用いたメモリ、FeRAMは低消費電力性に優れます。
しかし、小型化の面で他のメモリに遅れを取っていました。
わずか一分子でメモリー機能を示す「単分子誘電体」を用いることで、超小型・超高密度・低消費電力のFeRAM実現への道を拓くことができます。
これにより、IoT機器やウェアラブルデバイスなど、省エネルギー・高集積化が求められる市場への展開が加速します。
コンデンサ
極薄膜でも高い誘電特性を保つため、既存コンデンサの小型化・薄膜化が可能になります。
電子機器の軽量化・スペース効率向上に大きく貢献します。
For Process
「単分子誘電体」デバイスを作製するのに、従来の強誘電体薄膜のような高温アニール(結晶化工程)は必要ありません。
すなわち、デバイス作製プロセスの簡略化や管理項目の削減、製造コストの低減、プロセス熱によるデバイスダメージ防止、低温プロセスによる脱炭素・省エネルギー化といった多くのメリットを提供します。





